前回の続き

 

癒しの旅に出て、

なぜか仁王様みたいにデカくて怖いおじさんの腰痛を治療しなくてはいけない状況になった松井。

 

あー、めんどくせーなー!

 

「親父さん、そこに横向きになって」

こんな時は横向きでグリグリ痛くしてあげればいい。

 

「お?にーにー、こんな感じか?俺の腰は硬くて揉みがいがあるぞ!」

 

誰が揉むかっつーの。

こういうおじさんには急所攻めだ!

 

説明しよう!

腰はわきから真直に押すと痛いのだ!

 

「うおー!効くな、にーにー!うぉー!効くなー!」

 

獣のような声を上げて悶えるおっちゃん。

 

「あのね、これはね、検査っす。こっから本番っす。じゃー、うつ伏せ」

 

「え?にーにー、ここから本番?!」

 

驚きと期待に目を輝かせながらうつ伏せになるおっちゃん。

 

おやおや。

最果ての島でとんだドМのブタ野郎を発見したぞ。

こいつは旅のお楽しみにしてやるぜ!

 

「ほんじゃまー、東京で1番流行ってる整体法でバナナ固めっていう技っす。ちょっと我慢してね~」

 

松井は東京ばななに引っ掛けたネーミングと、

何となく思い付きのプロレス技をおっちゃんにかけました。

 

説明しよう!

松井は高校時代、プロレス同好会に入部していたのだ!

 

かけた技は長州力の必殺技、サソリ固め。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぉぉーー!めっさ効くな、にーにー!ふぉぉーー!ふぉぉーー!」

 

獣を通り越して、レイザーラモンHGのような声を出しまくるおっちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うんうん。

いい叫び声だ!

 

その後は治療と称してアキレス腱固めやわき固めなどのプロレス技をかけた松井。

松井にドMのブタ野郎という本性を見抜かれ、

その隠された欲望を大解放したおっちゃん。

 

「おとうさん、どう?腰は治った?」

心配そうに聞いてくるおかみさん。

 

「はぁはぁ、腰はよくわからんけど、はぁはぁ、こんなスゲー治療は受けた事ねぇさ!すげーよ、にーにー!」

 

おっちゃんよ。

あんたは2つ間違いを犯している。

 

1つ目は、これは治療ではない。

プレイである!

 

2つ目は、

生粋のドMハンターである俺に治療依頼をしたことさ!

 

「おし、にーにー!あんたやるな!今夜は宴会だぞ!」

 

そう言っておっちゃんはは厨房に行き、何やらゴソゴソ探していると思ったら、

 

「にーにー、幻の金粉入りの泡盛だわさー!飲むぞ!」

 

と言って、キラキラ光る一升瓶のお酒を取り出してきました。

 

「お兄さん、酒のつまみ、じゃんじゃん食べてね!」

 

おかみさんは夕飯よりも贅沢なおかずをどんどん出してくれて、その夜は大宴会!

 

5時間ほど延々と飲み続け、

その間に話した実のある内容は

「ハブの捕まえ方」

 

「にーに、ハブはシッポから捕まえるのさー!」

というおじさんの話に、

 

「えー!尻尾をつかんだら噛まれますよ!」

「いや、ハブはシッポを掴んだら届かないさー!」

「えー!噛まれますよー!」

 

というようなどうでもいい話を延々として、次の日は二日酔い。

 

でもって、何となく次の日も泊まって、もちろん宴会。

 

この日はおじさんが若い頃はモテたという、さらにどうでもいい話で5時間飲んでました・・・

 

次の日、どうでもいい話と金粉入りの泡盛を飲むのも飽きたので小浜島を去り、

ノリで日本最南端の島、波照間島へ。

 

そこでも島についてから何となく決めた民宿へ。

またお客は松井一人。

貸し切り状態。

 

またまた親父さんが変な奴で、

「俺はアル中だから夕飯はつくらない」

と言って夕飯がありませんでした。

 

仕方なしに島のしょぼくて不味い居酒屋で夕飯を食べ、

昼間は波照間島をバイクで回って誰も居ない海で泳いだり、

日本一綺麗な海岸に行って一人ではしゃいだり

その辺に咲いている花をぼんやり眺めてました。

 

 

 

 

 

 

 

夜もやることがないので部屋でボーとしていると、

「こんこん」

部屋をノックする音がするので出ると、おやじさんがソワソワしながら立っていました。

 

「おじさん、どうしたの?」

松井が聞くと、

「にーにー、飲みにいこう。今夜はかみさんが石垣島に行って帰ってこないからさー」

 

えー!

アル中なのに大丈夫?

 

断るのも面倒なので一緒に居酒屋へ。

 

そのおじさんは外見はがっしりしていて、若い頃から漁師や肉体労働をやっていたとか。

 

「あのよ、にーにー。おれさ、三回離婚してんの。そんでさ、1回目に離婚した時の娘から結婚式の招待状がきてるんだけどさ、おれ、どうすればいい?」

 

いきなり一杯目の泡盛からディープな話に。

 

小浜島のドMのいい加減なおじさんとは違い、こいつは精神的に病んでおりますなぁ。

ていうか、なぜ癒されに来たのに変なおやじにつきまとわれるのだ?

旅先のステキなアバンチュールはないのか?

 

「えーっと、それはですねぇ・・・」

 

あー、めんどくせー!

と思いながら、3時間ほど飲みながら相談に乘り、

なぜかお会計は松井持ち。

経費で落ちるかな、これ?

 

久しぶりのお酒と、ただ酒と、カウンセリングを受けて気分上々のおっさん。

早く寝て東京に帰りたくなった松井。

 

「あー、いい気分だ。よし、にーにー!戻ったら腕相撲やろう!」

へ?

何言ってんの?

このアル中おやじは?

 

「おれさ、腕相撲強いのよ。ほとんど負けた事ねーのさ。二十歳ぐらいの若い奴が泊まり来てさ、俺と腕相撲してもおれ、勝っちゃうのさ!」

 

いや、お客に腕相撲挑んで勝ってもねぇ・・・

あー、なんて面倒なおやじだ・・・

 

仕方ないので松井は腕相撲自慢のオジサンとバトル。

 

結果は5回連続で松井の勝ち。

最後の方は互いの肘を押さえてやる変則的な腕相撲もやりましたが、何をどんな形でも松井が圧勝。

 

「あれ?あれ?おかしいなぁ?えー!にーにー、なんでそんなに強いんだ?」

 

松井が強いのではない。

おじさんが弱いだけ。

 

東京はね、人が多くて競争が激しいの。

力が強い人なんてごまんといるの。

小さな島で自慢している親父なんて一捻りなんだよ。

 

「よーし、にーにー!俺の兄貴呼ぼう!俺の兄貴は砲丸投げの選手で俺より腕相撲が強いから!」

 

えー!

これ以上の面倒はやめてくれー!

 

結局、おじさんのお兄さんはペンションを経営しており、仕入れで石垣島に居て、明日戻ってくるとか。

 

「にーにー、明日も居ろ!」

 

というお誘いを断り、次の日波照間島を飛び出した松井。

 

その後、数日石垣島でボンヤリすごし、東京に戻って今に至ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の旅で得たものは特になし。

 

教訓としては、泡盛を飲んだ島のおやじはメンドクサイ!

という話でした。

 

さて、また今年も働くか・・・税金が・・・

 

以上!

忍押!(すお!)